【気になるニュース】ファッションECサイトの実店舗展開が加速中?
O2O(Online to Offline)の試みとして、近年ファッションECが積極的に実店舗を構ええる動きが増えているように感じているのですが、みなさんはどうでしょうか?
気になって色々と関連する記事を読んだので、今回は日本国内だけでなく、海外の取り組みも踏まえた「ECとユーザーとの間に“居場所”を模索する実店舗のあり方」について紹介したいと思います。
実店舗「Amazon Books(アマゾン・ブックス)」
私が「ECサイトが実店舗を展開する動きがここ数年、トレンドなのかな。」と感じたキッカケは、米Amazon.comが書店経営に参入したというニュースを見てから。
2015年に本社のあるシアトルに実店舗「Amazon Books(アマゾン・ブックス)」を構えたのを皮切りに、サン・ディエゴ、ポートランドに立て続けにオープンさせています。
そして、今後1年のあいだに、アメリカ全土に二桁のポップアップストア設置を計画中とのこと。
もっと詳しく知りたい!という方は、下のブログでわかりやすく紹介していたので、読んでみてください(^^)
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日本国内のファッションECの動き
こうした流れは日本国内でも顕著なんです。
たとえば、ファションECだけに限っても、レディース、メンズ・キッズ向けファストファッションを提供している「shoplist.com(ショップリスト)」が2014年の8月から2016年10月27日まで表参道に期間限定ショップを展開したことは、知っている人も多いかもしれないですね。
あとは、若い世代を中心に人気を集める韓国系ファッションECサイト「DHOLIC(ディーホリック)」
2015年9月4日にルミネエスト新宿に実店舗をオープンしたのを機に東京を中心に複数の店舗を展開しています。
このほか、「tocco closet(トッコ・クローゼット)」や「coca(コカ)」なども同様に都心の駅ビルのテナントを中心に出店を進めているのだとか。
これらの特徴は?
やはり、どれもいわゆる「完全な」実店舗であることですよね。
他のファッションECサイトと違い、都心の一等地に高額なテナント料金を支払って、インテリアや什器まで揃え、マンパワーも在庫も完備しています。
ライバルとなるのは大手アパレルメーカーで、店舗の運営には相応のコストが必要になるから、実店舗を展開できないECサイトも多いのは仕方のないことなのかも。
移動試着店舗の「True&co.」が面白い!
こうしたECサイトを実店舗化するトレンドの中で、個人的にとっても興味を引かれたのが、主に女性向けのアンダーウエアを取り扱っている米「True&co.(トゥルー・アンド・コー)」の試み。
というのも、True&co.は今まで紹介した、いわゆる実店舗とは一線を画したビジネスを展開しているんです。
「Try-On Truck(試着トラック)」
ボディへのフィット感がより重要視されるアンダーウエアは、購入する前に試着したいと考える女性は多いのでは?
そうした女性たちのために導入されたのが、アメリカ全土を旅する「Try-On Truck(試着トラック)」(2016年)。
ガラスと木材、鉄によってつくられた7メートル強のこのトラックは、およそ1年をかけて国内を周遊する予定なのだとか。
空調の効いた4つの試着室とシートを備え、創設者の「お家に帰ってきたような暖かい環境作りがしたい」という意思を反映した極めて快適なものとなっているそうです。
「Try-On Tent(試着テント)」
他にも各地で「Try-On Tent(試着テント)」を期間限定で展開しているそう。
まさに、創設者のいう「家に帰ってきたような環境づくり」というコンセプトが行き届いている!といった感じで素敵ですよね!
「Try-On Truck」にしろ「Try-On Tent」にしろ、物価の高いニューヨークの路面やデパートなどにテナントとして店舗を構えるのに比べて、運営コストをはるかに削減できるところ。
このトラックやテントといった、洒落た設定や居心地が良いインテリアによって、低コストな実店舗を実現させているのは、とても素敵だと思いました。
True&co.:https://trueandco.com/
ショールームとしての実店舗
日本国内でも、こうした低コストな、いわばショールーム的な実店舗展開をしているメーカーは少なくないんです。
例えば、ワイシャツをはじめ、ネクタイなど小物の販売を自社ECサイトで手がけている「柳田織物」は、2014年に六本木にショールームを開設しています。
ここで興味深いのは、路面店ではなく、築古ビル物件の8階にある事務所の一角を利用しているところ。
設備も必要最低限で、ストックされている商品もほんの一部。
事前予約をして希望の商品を取り寄せておくというスタイルだそうです。
ショールームのオープンで売上UP!
ショールームの設置にあたっては、売り上げ予算は設けられず、新たな人員も採用されていないそうです。
だから、商品販売のための積極的な接客がほとんど行われていません。
(にもかかわらず、来店したユーザの7割以上が商品を購入しているのはすごい!)
ショールームのオープン以来、年間売上が130%前後も上昇しているらしいです。
というのも、一度試着すればおよそのサイズ感が分かるため、来店後はECを経由して実に3割以上のリピート率を維持しているから。
オフラインのショールームがオンラインの玄関口として機能してした好事例ですよね。
合わせて読みたい
今回ご紹介した「True&co.」や「柳田織物」など、気になる情報はありましたか?
さらなるECとユーザー間を結ぶ、素敵なサービスが出てくることに期待したいところ。
今後のECサイトがどんな実店舗展開をしていくのか、楽しみです(^^)