進化を遂げるテクノロジーとファッション
進化を遂げるスマートテキスタイルが面白い!
近年「テクノロジー×ファッション」「デジタル×ファッション」といった言葉を目にする機会が増えたような気がします。そこで、いろいろ調べてみたんですが、面白い!
今回は、その中でも、私が特に興味がわいた「スマートテキスタイル」の分野を紹介したいと思います。
スマートテキスタイルって何?
スマートテキスタイルを直訳すると賢い繊維製品となるけど、、ん? イメージわかないですよね。スマートテキスタイルとは、
最新のテクノロジーを使って開発された、着る人に付加価値を与えることができる生地のこと。
たとえば、生地そのものが変化をしたり、光ったりするだけでなく、エネルギーを発したり、さらにはコミュニケーションをとることが出来たりすることも不可能じゃないんです!
従来の生地ではあり得ないような、様々なことが実現できるようになる可能性を秘めているスマートテキスタイル、少し興味出てきましたか?
現在、スマートテキスタイルは主に、新しい表現手法の一つとして、アート的、デザイン的用途で使用されるケースと実用ベースで着用する人のパフォーマンスを向上させるために使用されるケースに分けることが出来ます。
まずは、新しい表現手法の一つとして、アート的、デザイン的用途でスマートテキスタイルを使っているブランドをいくつか紹介したいと思います。
⒈ 「THEUNSEEN」
アート・デザイン・パフォーマンスを科学と融合させることによって、見えないものを可視化することをテーマに掲げて創作活動を行う、ロンドン発のブランド。環境の変化によって色が変わるインクの技術を駆使して、面白い作品を多く開発しています。
たとえば、スワロフスキーとコラボした商品で、身に着ける人の脳の動きに反応するヘッドピース、風圧・湿度・熱・光など大気と環境に反応するレザー彫刻などを発表。
↑ヘッドピース。写真を見てもイマイチ想像つかないけど、面白いですよね。脳の動きにどう反応するのか、実際にかぶってみたい。
最近では、アートの領域に留まらず、2015年の秋に英国の百貨店「Selfridges(セルフリッジ)」とコラボして、日常生活の中で使うことができるコレクションも発表しています。
熱に反応し、身に着ける場所によって色が変化するスカーフ、ユーザーの体に触れることで色が変化をするウォレットやスマホケース、熱・太陽光・気圧の変化に反応するバックパック、など。
2. 「IBM Watson」× 「Marchesa」
最近では、2016年のMet Gala で、IBMのコグニティブシステム「Watson(ワトソン)」と、ニューヨークを拠点とするファッションブランド「Marchesa(マルケーザ)」がコラボした作品も注目を集めました。
ここで少し脱線。。
Met Galaとは?
Metropolitan Museum of Art’s Costume Institute(メトロポリタン美術館コスチューム協会)の資金集めイベントのこと。この祭典は、コスチューム協会の展示会のオープニングイベントという位置づけとなっていて、別名「ファッション業界のレッドカーペット」と呼ばれています。
主催者は、「プラダを着た悪魔」に出てきた編集長のモデルとなった、Vogueの編集長アナ・ウィンター。
Met Galaは、毎年祭典のテーマが決まっていて、そのテーマに合わせたファッションで参加するのが暗黙の了解になっていて、
2016年のテーマは「Manus x Machina: Fashion In An Age Of Technology=テクノロジー時代におけるファッション」だったんです。
さて、話を戻します。
この祭典で、発表されたのが「Cognitive Dress(コグニティブドレス)」
このドレスは、twitterの投稿からオーディエンスの感情をリアルタイムで分析し、感情を表す5つのカラーをLEDライトを使って表現するのだそう。
ちょっとわかりづらいですよね。詳しく説明すると、
感情の分析は、Watsonの「Tone Analyzer(トーンアナライザー)」という文章から感情を読み取ることができる機能を使って、Met Galaやコグニティブドレスに関するtwitterの投稿を分析。
感情を表す5つのカラーは、Marchesaのアーカイブからブランドのテイストを学習したWatsonの提案によるカラーパレットを採用したのだとか。
実物見てないから、想像しづらいけど、すごい〜!!って感じです。
3. 「CuteCircuit」
2004年にスタート、世界で初めてウェアラブルテクノロジーを取り入れたコレクションを世に送り出した、ロンドンを拠点とするファッションブランドで、顧客にケイティー・ペリー、U2、ファーギー、サラ・ブライトマンを始め、多くのセレブたちがいます。
2010年のMet Galaでケイティー・ペリーが着用した、カラフルな光を放つドレスや、イギリスの携帯電話会社のイベントで歌手のニコール・シャージンガーが着用した、リアルタイムでツイートをドレスに映し出す「THE TWITTER DRESS」など、最先端の技術を搭載したオートクチュールドレスを多数発表してるので、知っている人も多いかもしれないですね。
レッドカーペットのドレスやスペシャルイベントのための衣装だけでなく、日常使えるようなコレクションも多く発表しています。
面白いと思ったのは、
遠く離れた場所にいる大切な人にハグを送ることができる「Hug Shirt(ハグ・シャツ)」
このシャツに組み込まれたセンサーで「ハグの強さ・触れた場所・肌のぬくもり・鼓動」を相手に伝えることが出来るのだとか。笑
もう一つ、実際に欲しいと思ったのが「Mirror Handbag(ミラー・ハンドバッグ)」
これは、世界初のインタラクティブハンドバックで、専用アプリを使ってメッセージやアニメーション、さらにはツイートまで表示をすることができるのだとか。
ブランドのオンラインショップで購入可能みたいなので、買おうかちょっと迷いました。
感想
最初「テクノロジーとファッションの融合」イコール 光るドレス?
といった安易な発想しかなかったんですが、
取り巻く環境や感情、他人の行動を「色・形・デザイン」を通して反映できることを知って、とても驚きました。
テクノロジーの発展ってすごい。さらに進化していくテクノロジーとファッションが結びついて、今度どんなファッションが生み出されていくのか、とても楽しみです。
次回は、実用ベースで着用する人のパフォーマンスを向上させるために使用されてるケースを紹介します。